三室戸寺

狛犬ならぬ狛兎と狛蛇

狛兎 - 兎の像

三室戸寺本堂前に狛牛と対面して兎が安置されています。狛犬ならぬ狛兎です。

三室戸寺のある地域は、古来より、菟道(うじ)と称され、宇治の中心地でもありました。 仁徳天皇の弟、菟道稚郎子は宇治天皇とも称され、一時皇位についた可能性もあります。 この菟道稚郎子は応神天皇と宇治の豪族、和邇氏の娘との間に生まれた皇子で、宇治の本拠としていたので、こう呼称されていたのでありましょう。

菟道稚郎子が宇治に来た際、兎が道案内したとの伝承もあり、兎と縁があります。 因みに、菟道稚郎子は日本書記に、菟道の山の上に葬られたとありますが、当山本堂の裏山の古墳が、稚郎子のものだといわれています。

また、当山所蔵の摩尼宝珠曼荼羅ないし文書に記されている生身不動明王は、月を人格化したものであり、足下に兎が表現されています。

狛兎は、御影石製で、高さ150cm、幅90cmの巨大なものです。兎は、幅60cmの大きな玉を抱いていますが、玉の中に卵型の石があり、それが立てば願いが通じると云われています。

兎の抱いた球の中にある、卵が立てば昇運がつくといわれています。

球と中の卵(写真左)/うさぎの後ろ姿(写真右)

生身不動明王と兎

狛蛇

宇賀神の像が本堂前に鎮座しました。

三室戸寺にとっては、狛牛・狛兎に続く「狛蛇」ともいえる像で巳年には人気が出ました。 財運・金運の蛇神で、頭は老翁、体は蛇で蓮に乗る姿をとっています。宇賀神を撫でると、財運(金運)・良運がつくといわれています。

関連ページ:蛇に縁のある三室戸寺

トピックス

2012年12月26日
週刊新潮(13年1月3・10日新年特大号)にカラー1ページで、宇賀神が紹介されました。

2012年6月27日
毎日新聞朝刊に狛蛇(宇賀神)が三室戸寺本堂前にお目見えした記事が掲載されました。
寺にはカニを助けた娘が蛇に嫁入りを迫られ、カニが蛇を退治した伝承があり、娘が蛇の供養のために奉納したと伝わる宇賀神の木像(非公開)がある。 寺は気軽に触れてもらおうと、木像に似せた石像を新設した。 蛇の尾には金運、翁のひげには健康長寿の御利益があるとされ、伊丹光恭住職は「カニの恩返し次は蛇が恩返しする番、触りに来て」とPR。